シューズを選ぶポイント5選
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5選を紹介する前に…
靴を正しく選ぶことで症状が解消されることがたくさんあります。そのためには、歩行の邪魔をしないものを選び、脚にフィットしたものを選択する必要があります。まずは靴の構造から紹介していきます。
靴の基本構造
○ アッパー
足の甲を全体的に覆う部分のことで革や布、メッシュなどの素材で構成されています。靴の用途によって通気性・保温性・デザイン性などを考慮しています。
○ シューレース
靴紐のことで、足と靴を密着させる役割を持っています。靴によっては靴紐ではなくベルクロ(マジックテープ)タイプやゴムタイプがあり、靴紐は柔軟性が高く足の形状や動きを阻害しないため、ベルクロやゴムに比べて理想的な状態を維持することができます。紐を結ぶことができない幼児や障害者の場合にベルクロタイプやゴムタイプを選択しましょう。
○ タン(べろ)
甲の保護、土や埃が靴の中に入るのを防ぐ役割があります。

○ 中底 (ミッドソール)
ランニングシューズやウォーキングシューズの場合、衝撃を吸収するEVA素材で形成されたクッション部分のこと。ゴム製のものもあります。
○ 本底 (アウトソール)
地面と接している部分のことで、靴の底を保護する役割と地面・床面とのグリップを発揮します。グリップ力が高すぎる場合には引っかかりの原因になり、グリップ力が乏しい場合には滑る原因になります。靴の使用用途によって開発されているものを選びましょう。
○ ヒールカウンター
踵を後方・側方からホールドする役目を持っています。踵がつく瞬間が最も足への衝撃が強いタイミングになります。踵がないスリッパタイプの靴や、踵が踏めて履きやすい靴、布製の靴は踵のホールド力が乏しく、トラブルの原因になる場合があります。移動速度が上がるほど衝撃が強くなるため、ヒールカウンターがより強固なものであることが理想的です。
○ インソール
足裏と靴の間にある中敷のことで、体重がかかる部分であることや足裏との隙間が生じる部分であるため、カスタムメイドされたインソールを選択することがより好ましいです。安価な靴ほどインソールのヘタリが早く、足への負担が増加します。

○ シャンク(踏まず芯)
土踏まず付近の形状を保つために入っている芯のことで、靴の形状によっては目で確認することができません。

○ トゥーボックス(先芯)
安全靴やビジネスシューズは、形状を保ったり潰れないように芯が入っています。
○ ラスト(木型)
靴を作るための原型となるもの、靴のデザイン、機能を決める重要な要素

足と靴のサイズは正確に計測したことがありますか?

主に足サイズを計測するときには足長・足幅・足囲の3つを計測し、長さと足囲からウィズサイズを割り出します。測定したことがある方でも、靴屋で足長を計測したことがあるぐらいではないでしょうか?
○ 足長
踵骨の後からつま先の先端部分までの長さになります。親指が一番長いエジプト型・人差し指が一番長いギリシャ型・親指と人差し指が一番長いスクエア型の3つがありますので、一番長い指の先端までを測定しましょう。
○ 足幅・足囲

親指の付け根と小指の付け根の骨が張り出したところを結ぶ最短距離を測定位置とし、足幅は幅、足囲は集計を測定します。
足幅は、測定技術は必要なく簡易的に測定することができることがメリットですが、足の厚みが考慮されないため正しい足の形状は測定できません。一方で足囲は、メジャーの通し方がムラになったり巻き付ける強さの調整が難しいなど取り扱いに技術を要します。
できる限り、足囲で足の幅や厚みを計測することが好ましいです。
つま先の形状は靴と相性がある


「サイズを合わせたはずなのに、靴の中で当たりがある…」などの経験がある方は、つま先の形状を確認してみましょう。大きく3種類に分類されます。
① エジプト型(オブリーク型)
親指が最も長く、小指にかけて順番に短くなっているつま先のことで、日本人の約70%はオブリーク型であると言われています。重心の位置が外側に傾きやすいため親指の活動が減少し、外反母趾になりやすい足型です。
オブリーク型は親指の側面が靴と干渉しやすく、ラウンド形状の靴ではサイズを大きくする必要があります。その結果、サイズが大きくなり捨て寸が増える傾向があるため、躓きや歩きにくさを感じるようになり歩行時の疲労感は増加します。
② ギリシャ型(ラウンド型)
人差し指が親指よりも長く、日本人の約25%程度がラウンド型です。日本国内で一番見かけることが多いのはラウンド形状の靴です。比較的どのような足でも合わせやすい形状です。
③ スクエア型
親指から薬指あたりまでがほぼ同じ長さで日本人の約5%とされています。足の指全体に均等に体重がかかりやすいため、指への負担は比較的少ない傾向があります。
スクエア型の足先の場合、オブリーク型とラウンド型に比べて親指と小指の側面が靴の中で干渉しやすいため、靴は足先が広く取られているものを選ぶと靴と指の当たりが減ります。一方で、つま先がオブリーク形状やラウンド形状の靴を選んでしまうと、親指や小指の干渉がないところまでサイズアップしなければなりません。つま先の捨て寸が大きくなるため、横幅が必要以上に大きくなって疲労を感じやすくなったり、躓いたりするなど歩きにくさを生じます。
靴選びのポイント5選
Step1 踵をホールドできるだけの硬さがある(ヒールカウンターがしっかりしているか)



歩行時に踵が接地するときに衝撃で踵骨が動揺しやすくなるのですが、ヒールカウンターがしっかりとしている靴では踵の動揺が少なくなり、その後の足底面が接地が正しく行えるため効率の良い歩行が可能になります。
Step2 つま先だけ曲がる(歩行を阻害せずアシストしてくれるか)


MTP関節の屈曲を阻害しない構造である必要があります。シャンク機構がしっかりと備わっている靴はMTP関節の屈曲を誘導してくれ、歩行を阻害しないというだけではなく、進行方向への推進力を高めてくれます。


靴底の中心部分で土踏まずのところにシャンクがあります。靴によっては『シャンクのように見えるもの』が付属していますが、強度を上げることはできません。シャンクの強度を確認するためにしっかりつま先と踵を持ち、折り曲げて潰すように力を加えてみてください。
Step3 捻っても形が崩れにくいか


靴を雑巾を絞るように捻った時に捻れない靴を選びましょう。捻れに対する強度が低い靴の場合、運動に耐えうる強度がないと判断することができます。どの程度の力が必要かを確認してみてください。
Step4 インソールが外せるか


可能であればインソールが外せる靴を選びましょう。足部の形状は10人いれば10パターンではなく、左右でも異なるため2倍の20パターンあると言っても過言ではありません。踵の大きさ、内側・外側縦アーチの高さ、足の指の曲がり具合、指の長さと言ったポイントで異なってきます。せっかく素晴らしい靴を選んだのに、元々入っているインソールが足に合っていないことで痛みが出てしまうことが多く、靴が悪いと決めつけるのは良くありません。インソールの入れ替えでさらにあなたにぴったりの靴が出来上がります!
どれだけ良い眼鏡のフレームを買ってもレンズが合っていなければ実用性がないのと同様で、どれだけ良い靴を購入してもインソールが合っていなければ実用性は発揮することができません。
※靴のメーカーはその無数にある形に適したインソールを製作することはせず、元々備わっているインソールには費用をかけていません。言い換えるとインソールを入れ替えることを前提に製作しているのです。
Step5 靴サイズは記載よりも1cm大きい

足長の実寸が26.5cmの場合、シューズは26.5cmを選ばれると思いますが、実際の靴のサイズは表記よりも1cm程度大きく制作されており、この余りを捨て寸と呼びますが、1cm大きく製作されているのか理由はいくつかあります。
1つ目は厚い靴下を履いてもつま先にゆとりが残るようにしているためです。2つ目の理由は、歩行時にMTP関節で屈曲した際に前方へ転がるようにズレる動きが発生し、その転がりでもつま先が靴の先端に当たらないようになっています。3つ目の理由は、歩行時に前後方向に多少ずれが生じるのですが、このずれが生じてもつま先が当たらないようになっています。
余り捨て寸を小さくしすぎると、冬に厚い靴下を履いた時に当たってしまう可能性がありますので、靴を履くシーズンを考えてあげましょう。そのため、靴下を履いた状態での試着をするようにしてください。
自分は幅広・甲高だと思っていませんか?
一般的に日本人は幅広・甲高の傾向がありますが、実際に計測しているわけでもなく「自分は幅広だ」とか「自分は甲高だ」と決めつけてはいませんか? 足のトラブルに悩まされている経験があり、自分は幅広だという思い込みが働いている可能性があります。
実際に測定してきた方の8人に1人は、自分が幅広で甲高であると考えられていましたが、ほとんどの方が幅広で甲高であるという評価結果ではなく、単なる幅広もしくは甲高です。
幅が広い場合は開張足と言われる状態であることが多く、中足骨が開いている傾向にあります。横アーチが低下しているような状態です。
ですので、「自分は幅広で甲高だ」と思われている方は、専門店でご自身の足部を評価してみてくださいね。
外反母趾は幅広で柔らかい靴がいいと思っていませんか?
『外反母趾で痛いから、当たるから』とお悩みの方は『幅広で柔らかい靴がいい』と靴を安易に選んでいますよね? 知識がなく痛みやトラブルがある人にとってはこのような思考になるのは仕方がありませんが、むしろ正しい靴を選ぶことで、外反母趾の進行を抑えることができるのではないかと考えます。
しっかり足部の評価をした結果、あなたの足にあった幅広を選択することが外反母趾の進行を抑えることができると考えています。