整体後の揉み返し・好転反応のメカニズムと対処法

今まで、マッサージや整体に行ったことがある方は、

「揉み返しは好転反応と言い、体が回復しているサインのことだから心配ありません」

と説明を受けたことがあるのではないでしょうか?

実は、揉み返しと好転反応は、似て異なります。

 

ここでは揉み返しと好転反応の違い、原因やその対処法などについてご紹介します。

 

この記事を読む事で、揉み返しに対する恐怖感がなくなり、思う存分整体を受けていただくことができるようになります。

● マッサージの効果

マッサージは筋肉の線維をほぐすことだけが効果ではなく、自律神経にも大きな影響を与えます。

筋肉に対してマッサージを行うと自律神経が刺激され、施術中や直後は交感神経が優位な状態(興奮状態)、施術後しばらくすると反射的に副交感神経が優位な状態(弛緩状態)に切り替わります。

自律神経の興奮・弛緩を行ったり来たりすることで、バランスの取れた状態で落ち着きます。

マッサージの後に、眠たくなったり、カラダが重たく感じるのは、交感神経優位であった状態から副交感神経優位に切り替わることによる自覚症状であり、悪いものではありません。(好転反応)

一方で、過度な圧迫強度でマッサージを行った際には、筋肉の線維が損傷を受けるだけではなく、自律神経の興奮・弛緩状態の振り幅が大きくなるため、グッタリして動けなくなる、めまいがおこる、顔色が悪くなるといった症状が出るのです。(揉み返し)

 

● 揉み返し・好転反応とは

揉み返しは打撲や捻挫といった怪我の一種であり、カラダの警告です。

好転反応はカラダが回復するサインであり、揉み返しと混同される傾向があります。

 

● 揉み返しのメカニズム

揉み返しの原因は2つあります。

 1つ目は、過度なマッサージ強度による筋肉や組織の傷害で、

 2つ目は、過度なマッサージ強度による自律神経のバランス不良です。

① 組織の損傷

筋肉

筋肉は図のように、筋線維の束である筋線維束、筋線維束の束である筋肉というように構成されており、筋肉は筋膜という膜に覆われています。

凝り固まった筋肉線維を解きほぐすことだけを目標としているマッサージ屋や整体では、必要以上の圧力をかけたり、圧力をかける方向を誤っていることがあり、これらの筋肉の線維を傷付けてしまっているのです。

簡単に言うと…「マッサージによって筋肉が傷つき、内出血を起こしている状態」です。

 

② 自律神経のバランス不良

マッサージでは施術中や直後には交感神経が優位に働き、施術後しばらくすると反射的に副交感神経優位に切り替わることお伝えしましたが、過度な強度でマッサージを行うと反動の大きさが体の症状として出現します。

 

この刺激の大きさとカラダの反応の大きさは、アルント・シュルツの法則というもので説明ができます。

軽微な刺激は組織の活動を活発化させ、中程度の刺激では組織の活動を促進させます。一方で、高強度の刺激では組織の活動を阻害するのです。

 

グッタリして動けなくなる、めまいがおこる、顔色が悪くなるといった症状はこれによるものであり、ドーゼオーバーという状態です。

肩こり 首こり 

● 好転反応のメカニズム

マッサージを行うと自律神経が刺激され、交感神経優位、副交感神経優位へ行ったり来たりすることでバランスの取れたところで落ち着くとお伝えしました。

眠たくなったり、カラダが重たく感じるのは、交感神経優位であった状態から副交感神経優位に切り替わることによる、自律神経の反応(好転反応)であり悪いものではありません。

 

また、凝っている筋肉は筋線維が短縮して硬くなっている状態です。

この状態では、筋肉の毛細血管は圧迫されて血流障害(疎血状態)になっています。

※ 生命危機を伴うような血流障害ではなく、軽微なもの。

筋肉の疎血状態が続くと、必要な水分や栄養が筋肉へ流れ込んだり、筋肉から流れ出ることができなくなり、痛み物質(疼痛誘発物質)が産生され、蓄積します。

この状態は、放ったらかしにしていても良くならず、筋肉に流れ込む あるいは 流れ出る毛細血管を開通させることが重要になります。

 

マッサージは筋肉を物理的に動かして、ほぐしてあげる一つの手段であり、適度な圧力でのマッサージは筋肉にある毛細血管の圧迫を解除し、筋肉に水分や栄養分が流入させるため老廃物は流れ出ます。

この疎血状態からの血液の流入も、自律神経の刺激の一つであり、好転反応のような状態になります。

 

● 筋肉の過緊張が続くと

デスクワークなどで同じ姿勢を撮り続けていと、筋肉が凝り固まることはほとんどの人が経験されていると思います。

姿勢を維持することで筋線維の緊張状態が続き(短縮して硬くなっている状態)、筋肉に栄養を与えている毛細血管が圧迫されて疎血状態になっています。

 

筋肉の疎血状態が続くと、必要な水分や栄養が流れ込んだり流れ出ることができないため、痛み物質(疼痛誘発物質)が産生・蓄積します。

肩こりなどで感じる痛みの元凶です。

デスクワーク 

肩こりの原因となった動作を変えるだけで、過緊張状態である(短縮して硬くなっている)筋肉は動き出し、時間経過とともに改善していきます。

ですが、デスクワークで絶えず同じ姿勢をとっているような場合には、筋肉が疎血状態となり痛み物質が局所にとどまり続けるため、筋肉線維は互いにコラーゲン線維によって癒着し始めます。(下図)

この癒着が形成されてからでは、筋肉の柔軟性を元に戻すには時間がかかるため、定期的なメンテナンスが必要です。

 

 

● 強い刺激を求め続けると…

マッサージ悪循環

マッサージや整体を受けられる人の中には、「刺激が強いほど効果が高い」とか「揉み返しやだるさが出なければマッサージの効果はない」と信じている方がたくさんいますが、高強度の刺激は組織の活動を静止させます。

今までの刺激量では物足りず、さらに強い刺激を求め続けて揉み返しが強くなったり、マッサージの効果が十分に得られなくなります。

 

● 対処法について

初めて揉み返しや好転反応を感じた人にとっては、「いつまで続くのだろう…」と不安に感じます。

これらの発生メカニズムが異なり、正しい対処法も異なります。

正しい対処法を知りその不安を消し去りましょう。

① 揉み返しの対処法

揉み返しは、筋肉が傷付いて炎症を起こしている状態で、筋肉の深層に軽微な出血が見られているでアイシングを行います。

施術した箇所が痛い、赤く腫れ上がる、熱を持つ場合はしっかりアイシングで冷やしましょう。

アイシングの手順

    1. 氷のうや破れにくいビニール袋を準備します。
    2. 氷を多めに入れて、氷が浸かるまで水を入れます。
    3. 患部が凍傷を防ぐため、薄手タオルで包みます。
    4. 揉み返しが起こっている部分に5分から10分ほど当てます。(冷やしている箇所の感覚が、冷えて感覚が鈍くなる程度が目安です。)
    5. 1日に何度か(1〜2時間毎)行います。

② 好転反応の対処法

好転反応は、自律神経の揺らぎを整えられる際に起こる反応で、言い換えると、カラダが正常な状態へと戻ろうとする際に起こる不快な感覚です。

薬で好転反応の症状を抑えてしまうと、自律神経のバランスが整わず、施術を受ける以前の状態に戻ってしまう可能性が高くなりますので、カラダの自然治癒力にを高めるような対処法を選択することが望ましいです。

 

    • 水分をよく飲む
    • 深呼吸をする
    • バランス良い食事をしっかりとる
    • カラダを温める

マッサージなどの刺激後には、施術前よりたくさんの血液が循環し始めるため、血液の流れが阻害されないようにカラダを温め、しっかりと水分・栄養補給してください。

全身の細胞に酸素や栄養を届けることが細胞の免疫力を高め、回復力を高めることにつながります。

 

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